6つの答えでわかる、ピックルボールの歴史

ピックルボールは、生まれてから約60年の、わりと新しいスポーツです。まずは、大事なところを表で見てみましょう。

質問

答え

いつ生まれた?

1965年の夏

どこで生まれた?

アメリカ・ワシントン州のベインブリッジ島(シアトルの近く)

だれが考えた?

ジョエル・プリチャード、ビル・ベル、バーニー・マッカラムの3人

なぜ考えた?

たいくつしていた家族が、みんなで遊べるゲームを作るため

名前の由来は?

ボート競技の言葉「ピックルボート」

いまは?

アメリカで、2025年に約2,430万人がプレー

この記事の内容は、アメリカの統括団体「USA Pickleball」と、日本の「Pickleball Japan(ピックルボール日本連盟)」が公開している資料をもとにしています。

始まりは1965年の夏。島の家の、古いバドミントンコート

ピックルボールが生まれたのは、アメリカの西海岸にあるベインブリッジ島です。USA Pickleballは、始まりの日のことを、次のように伝えています。

  1. 1965年の夏の土曜日、ジョエル・プリチャードとビル・ベルは、ゴルフから帰ってきました
  2. プリチャードの家では、家族がすることもなく、たいくつしていました
  3. 家には古いバドミントンコートがありましたが、ラケットが全員分そろいませんでした
  4. そこで、卓球のラケットと、穴のあいたプラスチックのボールで遊び始めました
  5. 次の週末、バーニー・マッカラムが加わり、3人でルールを作りました

最初の道具は、家にあったもの

道具

最初に使ったもの

コート

古いバドミントンコート

ラケット

卓球のラケット

ボール

穴のあいたプラスチックのボール

ネット

最初は約152cm(60インチ)。あとで約91cm(36インチ)に下げた

最初は、ネットをバドミントンと同じ高さにして、ノーバウンドで打ち合っていました。遊んでいるうちに、ボールがアスファルトの上でよくはずむことに気づき、ネットを低くしたそうです。

  • ルールは、バドミントンを大きく参考にして作られました
  • 3人は、「家族みんなでいっしょに遊べるゲームにする」という最初の目的を、ずっと大切にしました

いまのコートは、バドミントンのダブルスコートとほぼ同じ広さです。最初に使ったのがバドミントンコートだったと知ると、なるほどと思えますね。コートの広さは、テニス・バドミントン・卓球との違いでくらべています。

ピックルボールの始まりを紹介する、Pickleball Channelの動画です(英語)。USA Pickleballの「名前の由来」のページでも紹介されています。 YouTubeで見る

考えた3人は、どんな人?

ピックルボールを考えたのは、スポーツの専門家ではなく、3人のお父さんでした。

名前

どんな人

そのあと

ジョエル・プリチャード

ワシントン州の議員

1988年から1996年まで、ワシントン州の副知事。1997年に72歳で亡くなりました

ビル・ベル

実業家

2006年に83歳で亡くなりました

バーニー・マッカラム

次の週末に、プリチャードの家でこのゲームを知った人

2019年に93歳で亡くなりました。3人のなかで、いちばん長生きしました

  • プリチャードとマッカラムは、2017年にできた「ピックルボールの殿堂」に、最初のメンバーとして選ばれました
  • ベルも、2020年に殿堂に選ばれています

名前の由来:犬ではなく「ピックルボート」

「ピックルボール」という名前には、2つの説があります。USA Pickleballは、記録や写真を調べたうえで、「ボートの説が正しい」と説明しています。

説

内容

USA Pickleballの説明

ピックルボートの説

ジョエルの妻ジョーン・プリチャードが、ゲームができて数日のうちに名前を付けた。ボート競技では、選ばれなかった選手を寄せ集めたボートを「ピックルボート」と呼ぶ

こちらが正しい

犬のピクルスの説

プリチャード家の犬「ピクルス」の名前から付けた、という話

犬が生まれたのは1968年。ゲームができた3年後なので、由来ではない

なぜ「寄せ集めのボート」なの?

Pickleball Japanは、ピックルボールが、テニス・卓球・バドミントンなどの要素を寄せ集めたゲームであることから、この名前が付けられたと紹介しています。いろいろなスポーツの道具を集めて始まったゲームに、ぴったりの名前です。

犬の話は、どこから来たの?

USA Pickleballによると、犬のピクルスは、ゲームのほうにちなんで名付けられました。つまり、順番が逆だったのです。

覚え方

「ゲームの名前から、犬の名前が付いた」。犬のピクルスは、ピックルボールの3つ年下です。

年表:60年のあゆみ

庭の遊びから、アメリカ中で楽しまれるスポーツになるまでの道のりを、年表にまとめました。

空から見た、たくさんのピックルボールコート。多くの人が集まってプレーしている
アメリカ・フロリダ州「ザ・ビレッジズ」のピックルボールコートを、空から撮った写真です(2016年)。この町では1989年に、最初の常設コートが作られました。写真: TheVillagesFL / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons(サイズを変更)

年

できごと

1965年

ベインブリッジ島で、ピックルボールが生まれる

1967年

シアトルにあるプリチャードの家に、ピックルボール専用の、最初のコートができる

1972年

この新しいスポーツを守るための会社「Pickle-Ball Inc.」ができる

1975年

新聞がピックルボールを記事にする。次の年には、テニスの雑誌でも紹介される

1976年

ワシントン州タクウィラで、知られているかぎり世界で最初の大会が開かれる

1984年

全国の組織(USAPA)ができ、3月に最初のルールブックが出る

1989年

フロリダ州のザ・ビレッジズに、この町で最初の常設コートができる

1990年

アメリカの50の州すべてで、プレーされるようになる

2001年

アリゾナ州のシニアオリンピックで、初めて競技になる。100人が参加

2005年

新しい組織「USA Pickleball Association」ができる

2009年

アリゾナ州バッカイで、どの年齢でも出られる最初の全米大会。約400人が参加

2010年

世界に広めるため、国際ピックルボール連盟(IFP)ができる

2016年

フロリダ州ネイプルズで、最初のUSオープン。初めて全米にテレビで放送される

2020年

組織の名前が「USA Pickleball」に変わる

2025年

アメリカでプレーした人が、約2,430万人になる

道具も進化した

最初のパドルは、卓球のラケットでした。1984年には、飛行機メーカーのボーイングで働く技術者アーレン・パラントが、新しいパドルを作ります。材料は、旅客機の床などに使われる、ハチの巣のような形のパネルでした。このパドルは、「最初の複合素材のパドル」として、USA Pickleballの歴史に残っています。

いまのパドルの選び方は、最初のパドルの選び方で紹介しています。

2020年代:アメリカで一気に広がった

ピックルボールをする人は、2020年代に入って、急に増えました。グラフは、アメリカのスポーツ・フィットネス産業協会(SFIA)の調査による、参加人口の移り変わりです。

アメリカでピックルボールをした人の数(2020〜2025年)420万2020480万2021890万20221,360万20231,980万20242,430万2025単位は「人」。2020年は「約420万人」とされています
SFIA(アメリカのスポーツ・フィットネス産業協会)の調査による、6歳以上の参加人口です。2020年は約420万人、2025年は約2,430万人で、5年で約5.8倍になりました。

年

アメリカでプレーした人

2020年

約420万人

2021年

約480万人

2022年

約890万人

2023年

約1,360万人

2024年

約1,980万人

2025年

約2,430万人

  • 2020年から2025年の5年間で、約5.8倍になりました
  • SFIAは、2022年から2025年の3年間で171.8%増えたとして、ピックルボールを「アメリカでいちばん成長しているスポーツ」と紹介しています
  • USA Pickleballの会員は、2025年に10万人をこえました

数字の読み方

2020年と2025年の数字はSFIAのページ、2021年から2024年の数字は、SFIAのレポートを紹介した記事によるものです。どれも、もとはSFIAの調査です。

日本での広がり

日本でも、ピックルボールを知る人が増えています。ここでは、公式の発表で確かめられたできごとだけを紹介します。

時期

できごと

2022年8月

神奈川県のホームページ(この月に更新)が、ピックルボールの魅力・用具・ルールを紹介する、公式チャンネルの動画3本を掲載

2026年4月

ピックルボール日本連盟(Pickleball Japan)が、国内の主な団体の統合を実現したと発表

2026年6月

ピックルボール日本連盟が、日本スポーツ協会(JSPO)の承認団体になる

ピックルボール日本連盟は、学校、会社、自治体、地域のクラブなど、いろいろな場所で導入が進んでいると説明しています。

日本で開かれる大会は大会情報で、体験会や交流会は交流イベントで紹介しています。始め方は、ピックルボールの始め方をご覧ください。

よくある質問

名前は、食べ物のピクルスから来たのですか

USA Pickleballは、ボート競技の「ピックルボート」という言葉から付けられたと説明しています。ピックルボートは、選ばれなかった選手を寄せ集めたボートのことです。

犬の名前から付けたという話は、まちがいですか

USA Pickleballは、記録や写真、当時を知る人の話を調べ、犬のピクルスが生まれたのは1968年だったと報告しています。ピックルボールが生まれて名前が付いたのは1965年なので、犬のほうが、ゲームにちなんで名付けられたことになります。

ピックルボールを作ったのはだれですか

ジョエル・プリチャード、ビル・ベル、バーニー・マッカラムの3人です。名前を付けたのは、ジョエルの妻のジョーン・プリチャードです。

なぜネットは低いのですか

最初は、バドミントンと同じ約152cmの高さでした。ボールが地面でよくはずむとわかり、約91cmに下げられました。いまのネットは、両はしで91.44cm、まん中で86.36cmです。

いちばん古い大会は、いつですか

知られているかぎり、世界で最初の大会は、1976年の春に、ワシントン州タクウィラで開かれました。USA Pickleballによると、参加者の多くは、ピックルボールをあまり知らない、大学のテニス選手だったそうです。

言葉の意味を知りたいときは

「キッチン」「ディンク」などの言葉は、ピックルボール用語集で説明しています。

次に読んでおきたい

プレーの準備を、ひとつずつ。

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参考にした情報

情報確認日: 2026.10.14。 競技ルールは採用する団体・大会で異なる場合があります。最新情報は各出典もご確認ください。