ひと目でわかる、ピックルボールの特徴
ピックルボールは、テニス・卓球・バドミントンの要素を組み合わせて生まれたスポーツです。まずは「どのスポーツに近いか」を、表で見てみましょう。
くらべる点 | ピックルボール | 近いスポーツ |
|---|---|---|
コートの広さ | 縦13.41m × 横6.10m | バドミントン(ダブルス)とほぼ同じ |
ネットの高さ | 中央で86.36cm | テニス(中央で91.4cm)に近い |
打つ道具 | 板でできた「パドル」 | 卓球のラケットのように、あみ(ガット)がない |
打つもの | 穴のあいたプラスチックのボール | どのスポーツともちがう |
サーブ | 下から打つ。チャンスは1回 | バドミントンに近い |
1ゲームの点数 | 11点先取(2点差がつくまで) | 卓球と同じ |
ノーバウンドで打つ | できる。ただし、打てないゾーンがある | テニスに近い |
ポイント
コートはバドミントン、ネットはテニス、点数は卓球。いろいろなスポーツの「いいところ」を合わせたスポーツだと考えると、覚えやすくなります。
ここからは、1つずつ、数字でくらべていきます。数字は、それぞれのスポーツの公式ルールで確かめたものです。
コートの広さ:バドミントンと同じ、テニスの約3分の1
ピックルボールのコートは、縦13.41m、横6.10mです。バドミントンのダブルスコートと、ほぼ同じ広さです。

スポーツ | コートの大きさ | 面積 |
|---|---|---|
ピックルボール | 縦13.41m × 横6.10m | 約82㎡ |
バドミントン(ダブルス) | 縦13.40m × 横6.10m | 約82㎡ |
テニス(ダブルス) | 縦23.77m × 横10.97m | 約261㎡ |
テニス(シングルス) | 縦23.77m × 横8.23m | 約196㎡ |
卓球(台) | 縦2.74m × 横1.525m | 約4.2㎡ |
面積は、それぞれの縦と横をかけ算して計算しました。
- ピックルボールのコートは、テニス(ダブルス)の約3分の1の広さです
- ピックルボールは、1対1のシングルスでも、2対2のダブルスでも、同じ広さのコートを使います
- コートが小さいぶん、ボールを追いかけて走る距離が短くなります
ネットの高さ:テニスより少し低い
ピックルボールのネットは、まん中がいちばん低く、86.36cmです。テニスのネット(まん中で91.4cm)より、5cmほど低くなっています。
スポーツ | ネットのまん中 | ネットの両はし |
|---|---|---|
ピックルボール | 86.36cm | 91.44cm |
テニス | 91.4cm | 107cm(柱のところ) |
バドミントン | 152.4cm | 155cm |
卓球 | 台の上から15.25cm | 台の上から15.25cm |
- バドミントンのネットは、ピックルボールより60cm以上も高いところにあります
- バドミントンは、シャトルを床に落とさずに打ち合うスポーツです。ピックルボールは、ボールが床ではずむので、ネットが低くなっています
まめちしき
卓球の台は、床から76cmの高さです。その上に15.25cmのネットがあるので、ネットの上は床から約91cm。ピックルボールのネットの両はし(91.44cm)と、ほとんど同じ高さです。
ピックルボールが生まれたとき、最初はバドミントンと同じ高さのネットで遊んでいました。くわしくはピックルボールの歴史と名前の由来で紹介しています。
道具:あみのないパドルと、穴のあいたボール
ピックルボールでは、「パドル」という板のような道具でボールを打ちます。テニスやバドミントンのラケットとちがい、あみ(ガット)がありません。

打つ道具をくらべる
スポーツ | 打つ道具 | 大きさの決まり |
|---|---|---|
ピックルボール | パドル(板。あみはない) | 長さは43.18cmまで。長さと幅を足して60.96cmまで |
テニス | ラケット(あみがある) | 長さは73.7cmまで、幅は31.7cmまで |
バドミントン | ラケット(あみがある) | 長さは68cmまで、幅は23cmまで |
卓球 | ラケット(木の板にラバーをはる) | 大きさ・形・重さは自由 |
- 長さの上限でくらべると、パドルはテニスラケットの6割ほどです
- 道具が短いので、ボールに近づいて打つことになります
打つものをくらべる
スポーツ | 打つもの | 重さと大きさ |
|---|---|---|
ピックルボール | 穴のあいたプラスチックのボール(穴は26〜40個) | 22.1〜26.5g、直径7.29〜7.54cm |
テニス | 布でおおわれたボール | 56.0〜59.4g、直径6.54〜6.86cm |
バドミントン | シャトル(羽根は16枚) | 4.74〜5.50g、羽根の長さ6.2〜7.0cm |
卓球 | プラスチックのボール | 2.7g、直径4cm |
ピックルボールのボールは、テニスボールより少し大きいのに、重さは半分以下です。Pickleball Japanは、「ボールに穴があいており、強く打っても球速が抑えられるため、初心者でもラリーが続けやすい」と紹介しています。
道具の選び方は、最初のパドルの選び方と屋内用と屋外用のボールの記事でくわしく説明しています。
サーブ:下から打って、チャンスは1回
ピックルボールのサーブは、下から上へ振って打ちます。テニスのように、上から強く打ちおろすサーブはできません。
スポーツ | サーブの打ち方 | チャンス |
|---|---|---|
ピックルボール | 下から上へ振り、腰より低いところで打つ。ボールを落として、はずんでから打ってもよい | 1回 |
テニス | 手から放したボールを、地面に落ちる前に打つ | 2回(1回目を失敗しても、もう1回打てる) |
バドミントン | シャトル全体が、床から1.15mより低いところにあるときに打つ | 1回 |
卓球 | ボールを16cm以上、まっすぐ上に投げて打つ。自分の台と相手の台で、1回ずつはずませる | 1回 |
- ピックルボール・テニス・バドミントンは、ななめ向かいのエリアにサーブを入れます。卓球は、ダブルスのときだけ、ななめに打ちます
- ピックルボールのサーブは、相手のコートに直接入れます。卓球のように、自分の側で一度はずませることはしません
サーブの入れ方は、ピックルボールの基本ルールで図を使って説明しています。
点の数え方:11点先取。点が入るのはサーブ側だけ
ピックルボールの1ゲームは、ふつう11点先取です。10対10になったら、2点差がつくまで続けます。この数え方は、卓球と同じです。
スポーツ | 1ゲームの決まり | 点が入るのは |
|---|---|---|
ピックルボール | 11点先取。2点差がつくまで続ける | サーブ側がラリーに勝ったときだけ(標準の方式) |
テニス | 「0・15・30・40」と数え、4ポイント取ると1ゲーム。6ゲーム取ると1セット | ラリーに勝ったほう |
バドミントン | 21点先取。20対20になったら、2点差がつくまで(30点目を取ったら勝ち) | ラリーに勝ったほう |
卓球 | 11点先取。10対10になったら、2点差がつくまで | ラリーに勝ったほう |
いちばん大きなちがいは、点が入るのはサーブ側だけという決まりです。
- サーブ側がラリーに勝つ → サーブ側に1点
- 受ける側がラリーに勝つ → 点は入らない。かわりに、サーブを打つ人が交代する
ラリーに勝ったほうに毎回点が入る「ラリースコアリング」という方式もあります。2026年の公式ルールブックでは、大会の責任者が選べる、暫定の方式になっています。くわしくは基本ルールの記事をご覧ください。
バウンドとボレー:ネットの前に「キッチン」がある
ボールがはずむ前に、ノーバウンドで打つことを「ボレー」といいます。ボレーをしてよいかどうかは、スポーツによってちがいます。
スポーツ | ノーバウンドで打つ | 特別な決まり |
|---|---|---|
ピックルボール | できる | サーブと、その返球は、1回はずませてから打つ。ネットの両側2.13m(キッチン)では、ノーバウンドで打てない |
テニス | できる | サーブだけは、はずむ前に打ち返せない |
バドミントン | ノーバウンドだけで打ち合う | シャトルが床に落ちたら、ラリーは終わり |
卓球 | できない | 必ず、自分の台で1回はずんでから打つ |
ピックルボールにしかない決まりが2つあります。
- 2バウンドルール:サーブは受ける側で1回、その返球はサーブ側で1回、はずませてから打ちます。3球目からは、ノーバウンドでも打てます
- キッチン(ノンボレーゾーン):ネットの両側2.13mのゾーンです。この中に立って、ノーバウンドで打つことはできません。はずんだボールなら、中に入って打ってもかまいません
この2つがあるので、ネットのすぐ前に立って、ノーバウンドで強く打ちこむことはできません。
ほかのスポーツをしていた人が、最初にとまどいやすい点
テニス・バドミントン・卓球の経験がある人は、道具の使い方に早く慣れやすい一方で、「いつものくせ」がルール違反になることがあります。先に知っておくと安心です。
テニスをしていた人
- サーブは下から。チャンスは1回だけです
- サーブと、その返球は、必ず1回はずませます。サーブを打ったあと、すぐ前に出てボレーをすることはできません
- ネットの前のキッチンでは、ボレーができません
- コートの広さは約3分の1。道具も短くなります
バドミントンをしていた人
- ボールは床ではずみます。はずんだボールを打ってかまいません
- ネットは、まん中で152.4cmから86.36cmへ。60cm以上低くなります
- コートの外わくは、ダブルスとほぼ同じ広さです
- 点が入るのはサーブ側だけです(標準の方式)
卓球をしていた人
- ノーバウンドで打ってよい場面があります
- サーブは、自分の側ではずませず、相手のコートに直接入れます
- 「11点先取・2点差」は同じです。ただし、点が入るのはサーブ側だけです
- 台の前に立つのではなく、自分がコートの中を動いてボールを打ちます
ピックルボールが「始めやすい」と言われる理由
Pickleball Japan(ピックルボール日本連盟)は、人気の理由を次のように紹介しています。
- ルールが簡単で、初心者でも短い時間で試合ができるようになる
- コートが小さく、動く距離が少ないので、体への負担が軽い
- テニスやバドミントンの経験者も、すぐになじめる
- ダブルスが基本で、会話を楽しみながらプレーできる
- 屋内でも屋外でもプレーできる
この記事でくらべた数字も、その理由を裏づけています。
特徴 | 数字 |
|---|---|
コートが小さい | テニス(ダブルス)の約3分の1 |
ボールが軽い | テニスボールの半分以下 |
道具が短い | パドルの長さは43.18cmまで |
ネットが低い | まん中で86.36cm |
始め方は、ピックルボールの始め方にまとめています。
よくある質問
テニスコートやバドミントンコートでもできますか
Pickleball Japanは、「既存のテニスコートやバドミントンコートを転用しやすい」と紹介しています。コートの外わくは、バドミントンのダブルスコートとほぼ同じ広さです。
ただし、ネットの高さ(まん中で86.36cm)と、キッチンの線(ネットから2.13m)は、ピックルボールに合わせる必要があります。使ってよいかどうかは、施設に確認してください。
テニスや卓球のラケットは使えますか
ピックルボールでは、決まりに合ったパドルを使います。パドルは、長さが43.18cmまでで、長さと幅を足して60.96cmまでと決められています。体験会では、パドルを借りられるかを先に確認しましょう。持ち物は初めての体験会の準備チェックリストにまとめています。
ピックルボールにしかないルールは何ですか
この記事でくらべた4つのスポーツの中では、次の3つがピックルボールだけの決まりです。
- ネットの前に、ボレーができない「キッチン」がある
- サーブと、その返球は、1回はずませてから打つ(2バウンドルール)
- 点が入るのは、サーブ側だけ(標準の方式)
子どもでもできますか
Pickleball Japanは、ピックルボールを「子どもからシニアまで楽しめる生涯スポーツ」と紹介しています。コートが小さく、ボールが軽く、道具が短いことは、この記事の表でくらべたとおりです。
言葉の意味がわからないときは
「キッチン」「ボレー」「サイドアウト」などの言葉は、ピックルボール用語集で説明しています。
参考にした情報
情報確認日: 2026.10.14。 競技ルールは採用する団体・大会で異なる場合があります。最新情報は各出典もご確認ください。


